機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

オトナの心に竹原ピストルを〜ファイト

竹原ピストルというアーティストをご存知ですか。
最近は音楽番組にも登場したり、なにより明治安田生命の若者向け保険「1UP」のCMに起用されて全国区になりましたね。
瑛太演じる上田が、なんだかよくわからないけど1UPするのを、吉田羊が見守るという謎のCMです。そのバックで流れている「よー、そこの若いの」という曲、あれを唄っているのが竹原ピストルです。
私はぜひ、竹原ピストルをオトナの心に置いて欲しいです。竹原ピストルは、私です。

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写真は公式サイトより

一度聞いたら耳に残る「俺のアディダス

私と竹原ピストルとの出会いはラジオでした。
夜出かける直前流れたのが竹原ピストルの「俺のアディダス」でした。
さっぱりわかりませんよね、俺のアディダアス。しかもこれ、何度も繰り返す。「俺のアディダス、俺のアディダス〜」って。
ちょっとおかしいなって思いました。
その時はもう出る時間だったのでラジオを止めてしまったけれど、やけに耳に残りました。
振り絞るように、俺のアディダス
俺のアディダスってなんだ。意味わからないぞ。なんでこの人はこんな命を込めるようにアディダスを唄うんだろう。

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走り始め続ける「オールドルーキー」

その次に竹原ピストルを聞いたのはやはりラジオ。
「オールドルーキー」。彼はまた唄います。

積み上げてきたもので/勝負しても勝てねぇよ
積み上げてきたものと/勝負しなきゃ勝てねぇよ
何度でも立ち止まって/また何度でも走り始めればいい
必要なのは走り続けることじゃない/走り始め続けることだ

当時私は精神的に相当ヤられていて、彼のむさ苦しい声は本当に不快でした。
と同時にこの歌詞にもなんだかモヤモヤしました。
私はすごく戦っている気分で、でもどこに何を繰り出しても自分が無力で、今まで通用していたものが全く役に立たなくて、すべてを否定されているようで、途方に暮れて立ち止まりそうになるのを精一杯こらえて、そう、ボロボロで必死に戦っている気分だったのです。
戦わなければ。
だけどたいそう疲弊してもいました。

激闘のさなかにも/ぬくもりを忘れるな/愛する者のぬくもりを
激走のさなかにも/ぬくもりを忘れるな/愛する者のぬくもりを

そんなこと唄われても、鼻で笑うしかありません。
戦いは孤独で、だれも助けてくれないと絶望していたのですから。

あの時のラジオで竹原ピストルは「オールドルーキー」の前に「俺のアディダス」もまた唄っていました。その間に、彼は自分の生い立ちについて少しだけ話していました。
竹原ピストルはボクシングをしていたそうで、それはもう本気で取り組んで、数々の試合に立ったけど選手としては花咲なかった。
そしてグローブをギターに持ち替えて歌い始め、松本人志に会って歌や俳優の道が開けた。尊敬する人が好きなアディダスを買って大事にしています、そして、俺は歌い続けます、オールドルーキーとして。
※録音の書き起こしではなく記憶なので引用等は避けてください。

彼が「オールドルーキー」で唄っていたこと、私は今すごく染みています。
気づくとすぐ周りを敵に囲まれている気分になってしまい、敵のような、そうでないような、不思議なものと戦い続けて疲れてしまうのですが、それって自分自身だったりするんですよね。
そして本当は周りは愛する人たちで、私を支えてくれているんだけど、うっかり忘れがちで。
私は結局ポッキリ折れてしまって、世界は一度崩壊し、オールドルーキーとしてまた走り始めました。ちょっと年をとってしまったというより、心がオトナになってしまったから、走り始め続けるのは、すごく大変だなと実感していますが。
でも、竹原ピストルの言っていた通り、走り始め続け、愛する人を忘れることはないようにしています。

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必死じゃない大人なんていないのさ「よー、そこの若いの」

とういうのがちょっと前の話なのですが、ある時テレビで「1UP」のCMが流れました。
あの声で竹原ピストルが唄います「よー、そこの若いの/俺の言うことを聞いてくれ」。
あー。
とうとう竹原ピストル老害路線に。そう思いました。
あの年で、あの声で、新人に安居酒屋で「お前なぁ、俺の若い時は…」って話し始めちゃう上司ね。そんな様子がまざまざと思い起こされました。
そこからぷっつり、興味がなくなっちゃって…

でもある時音楽番組で歌い出したのを聞いて、私は泣きました。

よー、そこの若いの/俺の言うことを聞いてくれ
「俺も含め、誰の言うことも聞くなよ」

たとえば芸能人やらスポーツ選手やらが/特別あからさまなだけで
必死じゃない大人なんていないのさ

よー、そこの若いの/こんな自分のままじゃいけないって
頭を抱えてるそんな自分のままで行けよ

オールドルーキーだった私、これを聞いた時、またまた謎の敵と戦ってたんです。
こんな自分じゃダメだって、クヨクヨして人と比べてね…。33年も生きても、そういうことをしてしまうのです。心がオトナになってしまったからね。
でも竹原ピストルは、すべての大人が必死なのを知っていました。そしてそれで良いというのです。
そう、必死なのです。気づいてくれて、ありがとう。

オトナのみんなの中に、竹原ピストルがいればいいな。
何かを大事にしながら、走り始め続ける、必死な大人。みんなたぶんそれくらいで、それが尊いのです。

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まとめに代えて〜ファイト

ところで、私がいちばん好きな竹原ピストルの曲は「ファイト」です。
中島みゆきのカバーです。オリジナルじゃないんです、すみません。
私はこれを聞きながら、ダーダー泣きます。
中島みゆきもいいんですけど、中島みゆきが唄う「女の息苦しさ」とはまた違うけど、より一層、魂を絞り出し、心を鷲掴みにしてきます。
特にママに聞いて欲しいです。私が戦っていたのは、「母親像」でした。
不思議ですよね。中島みゆきが「私男に生まれればよかったわ」より、竹原ピストルの「私男に生まれればよかったわ」がグッサリきたんですから。

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