機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

夫が在宅勤務をすることにした

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夫が会社初の在宅勤務をすることにしました。
といってもまずは週1日、多くとも週2日だとか。
でも何千人の会社で最初の一人になるというのは、なかなか、いやいや、かなり勇気のいることでしょう。
だけどやがて自分の生活に合わせた働き方が、気軽に選択できるようになればいいな、という話です。

何千人の先陣を切るということ

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しばらく前から在宅勤務制度はあれど絵に描いた餅状態で、だれも取得する人はいなかったそうです。

柔軟な働き方の制度を設ける会社は増えてきたけれど、夫が勤める堅い社風の大企業では、何千人の目がある中一人先陣を切って手を挙げるのは相当な覚悟が必要です。
夫は出世コースから外れて技術者としてひた走っているけれど、今後の社内での見られ方を考えると周りに合わせてそっとしておくのが無難。
それでも在宅勤務しようと覚悟したのは、次女にできる限りの支援をするためと、私の転職をスムーズにするためでした。

在宅のファーストペンギンは家族の元に飛ぶ

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私は会社と揉めて、働くこと自体に嫌気が差していました。もともとぐうたらな素質も相まって、約1年育休をしたら私の中の働くモードがすっかり失せてしまっていることに気づきました。
毎日の行動範囲は、病院と病院と保育園と役所と図書館と駅前のスーパーと家近のスーパーとドラッグストアで構成されています。あとごくたまに電車で数駅のショッピングセンター。
日に歩くことが減り、入院も続いたので、顕著に足の筋肉が衰えたのを感じます。あとミルクなので妊娠中に溜めた脂肪が滞在を続けています。

先日所用で約1年ぶりに7時台の電車に乗ったら、駅に着く前から発せられる殺気が! すごい! ベビーカーは完全に場違い、スイカタッチを失敗したら後ろから刺されるんじゃないかと思うほどのスピード感、面識のない人たちがそれぞれの義務を果たすためにぎゅうぎゅうと体を密着しあって無言で何十分も過ごす空間!
大きなお腹でこれを毎日繰り返し、仕事をし、また帰ってきて長女を回収し、ご飯を作り風呂に入り寝かせてを一人でしていたのだけど、本当にしていたのだろうかと疑うほどのショックだったし、なにより自分もこの殺気を放っていたのかと衝撃でした。

通勤だけならまだしも、仕事して帰ってこれるのだろうか。さらに仕事は今までとは違います。最初は覚えるのも大変で相当なストレスのはず。次女の呼び出しやさらに入院まであるかもしれない。それでなくとも、次女は通常よりまだまだ手がかかる。今でも結構ギリギリではあります。

これはちょっと無理かもしれない、と言ったら、翌日夫は在宅勤務を申請していました。何千人がためらう崖を、家族のために軽々と飛び降りたファーストペンギン。心の底からかっこいいと思いました。

責任をとる「上司」の存在

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夫は論理的です。リソースが足りない、リソースをちょっとでも増やす制度がある、だったら使う。もちろんそれ以外にも普段の仕事の状況を考えて可能かどうか、関係各所に与える影響を計算して、これなら大丈夫だと判断したとのこと。

でもなにより上長が今の上長でなければ取れなかった、もはや申請すらしなかったかもしれません。
次女が病気になってから、何かと気にかけてくれていました。こまめに状況を把握して、何かあるのならすぐそっちに行きなさいと声をかけ、実際に返事一つで、もはや了承をとらなくても夫を家庭に集中させてくれました。
在宅勤務を切り出した時も、二つ返事で了承したとのこと。
「権利なのだから使えばいい」と。

上司の仕事は責任を取ることです。
でも上司でありながら責任を逃れたいから、予測のつかない前例のないことはするな、と言いたがる人は多いのではないかと思います。何千人の一番目を送り出す親ペンギンになろうって人は、なかなかいません。

夫の上長は「上司」です。責任を取る「上司」です。
「上司」は言いました。
「奥さんの力になってあげなさい」
−−濡れる。

まとめ

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夫が在宅のファーストペンギンだと思っていましたが、もう一人一緒に飛び込むペンギンがいるらしいという情報をキャッチしました。子育て中の女性社員とのこと。
正直、一人じゃなくてホッとした、と夫が言っていました。そうだよね。
夫が在宅勤務をすると聞いて、男女問わず話を聞きに来た人もいたそうです。やはり子育てや介護で気にはなっていたけれど、周りの目がありなかなか切り出せなかったと言います。

夫は結構な荒波に揉まれるのだと思います。
でも、その姿を見た他のペンギンたちが「いけるかもしれない」とぴょんぴょん飛び出してくればいいなと願います。
新しいペンギンたちは「守らなければならないものを真っ直ぐと守る」という新しい価値観で、新たな局面に飛び出していきます。守るものがあるから、ずっとずっと、会社に貢献するはずです(旧時代のおじさん達の「貢献」とはまた違う形だろうけど)。「なんだ、いけるじゃないか」そう思ってみんなが思い思いに自由に働けるようになる。そんな社会を願っています。
(そういうニーズに応えない会社は、優秀な人がどんどん離れて行ってしまうんだろうなー)

ひとまず私は通勤に耐えられる体力作りを始めます。
でも私も在宅勤務したーい。満員電車、ほんと怖いよ…。

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