機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

パワハラにすり潰されて休職した話(前編)

1年ちょっと勤めた会社を休職しました。このまま退職する予定です。
10年勤めた前の会社の社長に嫌気がさして、取引先であった現会社に、双方巻き込みてんやわんやして転職したものの、またしても上司に嫌気がさしました。嫌気がさしたというか、もう、パワハラ。残念ながら適応障害抑うつ状態で診断書が出ました。

すりつぶし型パワハラwithなじり

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100%上司が悪いかっていうと、そんなことはありません。私にも至らない点がたくさんありました。私、「普通の社会人」としての振る舞いが下手くそなんですね。報告のタイミングを計ったり、根回したり、言外のことを正しく読み取ったり、よいしょしたり、受け流したり。
普通の社会人10年やってたら、きっと嫌でも身につけるんだろうけど、そういうことなしで純粋培養されちゃったから、もう、最初のうちは新卒以上のカルチャーショックで。うっかりというか、ナチュラルに地雷を踏んじゃう。

とても怒られた。いや、怒られたならいいんだ。下手くそなら、できないところから積み上げて、できるようになるしかない。そのための助言ならいくらでも受ける。でも、なじられたんだ。退路を塞いで、上からすり潰すように、入念に、俺が絶対だ、俺が今こうと言ったらこうなんだ、と。

話の流れから「これはAでは?」と確認したら「俺がBだからBだ」と言うからBで出したら「何をしてるんだ、Aだろう!なんでこうなるんだ!」となじるなじる。「前回Bって言いましたよね?」と確認すればさらに爆発。いや、もう、正直いいんですよ、どれでも。私も「そうですね、変更します」って言えばいい。でも、一事が万事これ。
派生バージョンとして「なんでBなの?Cなんだけど。なんで気づかないの?」もあった。あなたの頭の中で変わってたなんて、わからないんですけども。

「イメージが湧かない」っていうから時間かけて作ったのに、目の前で捨てられていく成果物たち。普通方向性を決めてから詰めていくんですけど、方向性も決まってもいないのに作らせて「うーん、違う、やり直し!」って即出てく。何が違うかも言わない。自分で考えろ。そしてまた「うーん、違う、やり直し!」「ところでこれ、間に合うとでも思ってるの?やり方悪いよ」

思い出すとまた調子が悪くなってくる…

外面はいいから、最近入った新卒には手取り足取り教えていた。同僚や先輩はあきらめて神輿を担いでる。でも私は、あの神輿を担ごうという気力さえなくしていた。

先輩に「もう無理かも」って言った。「俺も長いけど、これはさすがにおかしいと思う」「奥さんがこんな状態だったら、辞めろって言う」「てか俺も転職したい」との力強い言葉をいただいた。いただいただけだけど。あの上司に意見はおろか、相談できる人はいない。

そして裸足で逃げ出す

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その日の前日、私は打ち合わせのアポをナチュラルにすっぽかされていた。忙しいのはわかるが、締め切りを厳守って言ったのは上司だし、そのためには打ち合わせが必須。しかしすっぽかしたことに気づいてすらない。

先輩がとりなして、「その日時間が空いた時に打ち合わせ」ってことになった。資料はとっくに揃ってた。たぶんまた、ポーンと捨てられる資料。これが決まらないと前に進まないから、後に控える膨大な作業も進められない。だけどちょっとでも進めておかないと間に合わないから、影響が少なそうな部分を埋めていくことにした。

でもこれ、無駄になるんだろうなぁ…これを確認する間も、ネチネチネチネチなじられるんだろうなぁ…

そう考えながらパソコンに向かっていると、自分がどんどん透明になる気がした。

残りの思考を振り絞って、先輩に「たぶん、もう、無理です。わかる」と言った。最終兵器彼女のチセを思い出した。「実を言うと私はもうダメです。突然こんなこと言ってごめんね」

私が飛んだら、この人すごく大変になるし困るだろう。それでなくとも連日残業、家には小さな娘さんがいるというに。先輩は「ごめんね、フォローできなくて」と言った。

仕事の資料を整理して、わずかな私物を持って、「すみません、気分が悪いんで病院に行きます」と午後休をとった。その足で、かかりつけの心療内科に行った。

 

(後編に続く)