機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

パワハラに耐えるのは、自分も周りも不幸にする最低の行為

上司からのパワハラで休職して数週間が過ぎました。相変わらず心身の浮き沈みは激しく、こんな時に限って実父が入院したり、長女が体調を崩したり、台風の気圧にヤられて1日中寝込んだりすることも多いです。

さらに、起き上がっても頭がぐるぐる、ぐわんぐわん。思考が溢れ出て脳がうるさく、消耗が激しい。耐えず「上司の言う通りにできなかった私は欠陥品だ…」「ダメな私はどこに行っても通用しない…」「正社員で働けない自分は価値がない」と否定的な言葉が渦巻きます。

会社から逃げ出したものの、「あれくらい“指導”として耐えて当たり前だったのでは」「乗り越えてこそ成長した。それができない自分はダメなんだ…」「職を失って稼げない上に、毎日寝込んでるなんて…」という呪いが常につきまとい、「私がパワハラに耐えればよかっただけでは」という思いが浮かんできて…。

だけど気づいたんです。パワハラを受ける」って、自分だけがボロボロになるわけじゃないんですよね。周りの人も不幸にするんです。

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「俺が絶対」というパワハラ

fumisiobox.hatenablog.jp

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パワハラというと

  • 身体的な攻撃
  • 精神的な攻撃
  • 人間関係からの切り離し
  • 過大な要求
  • 過小な要求
  • 個の侵害

職場でのこんな言動はパワハラだ! | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

が挙げられますが、私が受けていたパワハラはこのような明らかな暴力や暴言、賃金の不払いや過剰な残業、不当な要求ではなく、「俺が絶対だから逆らうな」という「場の支配」のようなものでした。

俺に合わせろ、俺の言うことは絶対、つべこべ言うなーー俺が王様だ。

これって、たぶんどこの職場でもあることですよね。だから耐えるのが普通、って思ったんです。追い詰めて、一言も反論できないように、すりつぶし、なじるように「俺の言う通りにしろ」と言われ、反論することもあったけど、だんだん萎縮して、なにも言えないしできない状態になっていきました。

言っていたことが、次の日には変わっている。何をしても怒られる。どこに当てれば響くのか、さっぱりわからない。相談もできない。王様に改善要求なんてできないーー

上司は「叱り方を知らない、私みたいな未熟な親」

そんなパワハラを受けていた頃、毎日、疲れていました。とにかく、疲れていました。

もともと家事は手抜きだったんですけど、休職寸前の頃には帰って包丁を握る気力すらありませんでした。生協の冷凍食品や実家からの救援物資、スーパーの惣菜を子ども用に温めて、食べている間はソファに横になっていました。自分はインスタントラーメンを作って食べてたんですけど、食べると絶対に下痢をするようになってきました。

子どもに構う気力すらなくて、ひたすらYouTubeを見せほったかし。夫は子どもが風呂に入る時間には帰って来ない。もうさすがに風呂に入れなければ…という時間になるとやっと観念して、何をするかと言えば、子どもを怒鳴り散らし、振り回しながら風呂に入れて寝かせる。何してんの!早く!こっち来て!いい加減にして!

もっと酷いのは朝。朝の子どもって、時間も気にせずダラダラぐずぐずする生き物です。1分1秒争う中で、言っても食べない着替えない支度しない。こっちだって会社に行きたくないのに、なんとか気力を絞り出して行かなきゃいけないのに、理不尽に怒られに行かなきゃいけないのに。なんで前日にしておかないんだ!そんなどうでもいいこと放っておけ!言う通りにしてればいいんだ!とわめき散らし、振り回しながら、子どもを保育園に送っていました。

ある日、いつものように、なんでこれをやらないんだ!お前はまだわからないだろうけど、できると信じてる。だから私の言う通りにすればいいんだ!と怒鳴っていたらふと、「上司は私と同じだな」と思いました。叱り方を知らない、私と同じ未熟な親(上司)だから、理不尽に怒鳴り散らすしかできない。そうか、あの人は未熟なんだーーそう思ったら、なんだか少し許せそうな気がしました。

子どもはもともとパパっ子で私にはドライな方でしたので、「寄ってこなくなったな」とは思ってましたが、私は自分のことで精一杯だったので、あまり気にしていませんでした。

パワハラに耐えられなかった私が弱い?

この人は叱り方を知らないだけだーー実際、よくよく聞くと正しいことを言っているように思えるし、ビジネスの才はあって結果は残していたので、出し方が悪いだけだ、どうにかうまく合わせていればいつか慣れて……と思っていたら、ぶっ壊れました。会社を逃げ出し、休職に入ります。

大丈夫だと思っていたけど、実際のところ精神的にかなりやられていて、心身は未だ安定しません。フラッシュバックもあり、パニック寸前になることもあります。でも、もう会社にいかなくていい、なじられなくていい、怒られなくていいと思うだけでホッとするし、そもそもそれってかなりおかしいことだと気づくことができました。時間に追われなくなったのも大きく、子どもを怒鳴ることもなくなりました。

だけど時々、上司について行けてたら成長できたのかも、やっぱり私が弱かったんだ、と落ち込みます。これからのキャリアやお金について考えると不安だし、そもそも働くの怖い…という思いがぐるぐるして、自分は弱い、価値がない…と自責が止まりません。

私がパワハラ上司になっていた〜パワハラは周りを不幸にする

ある日、精神的に安定していたので、趣味の先生に会いに行きました。久しぶりに自分の好きなことをしながら、パワハラで休職したことを話したら、「私もそう!」と、職場でどうしてもうまくいかない人がいたけど、辞めるまでに半年くらいかかったことを話してくれました。

パワハラに遭ってる間ってさ、めっちゃ性格悪くならなかった?子どもに当たっちゃって。ママ最近イライラしてるよ、って言われて。あれってさ、自分がやられたこと、自分より弱い立場の人にぶつけてるんだよね。子どもなんて突っ込みどころばっかりだから、ぶつけやすいんだよね」

私は勘違いをしていました。上司は「叱り方を知らない、私みたいな未熟な親」と思っていました。違います。上司は耐え難い暴力をする人だった。私は上司から受けた暴力を、子どもにぶつけていた。私が子どもにぶつけていた言葉は丸ごと全部、私が上司に言われていた言葉でした。離れて正解だった、これ以上続けていたら、暴力がもっともっと、子どもに向かっていたかもーー

辞めて(休職して)よかった…!その時、心の底から思いました。

パワハラは、受けた本人だけがボロボロになるんじゃない。周りも不幸にする。だから、全速力で逃げていいんだ!

パーっと、視界が開けた気がしました。自分を否定していた毎日に、一筋の光が見えました。

まとめ

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その後子どもは、私がくつろいでいると容赦なく「ママ遊んでー!」と飛びかかってくるようになりました。私も全力で応戦します。そうだ、パパっ子とは言えども、一緒に遊んでた。子どもは子どもなりに、ママ疲れてるから…と遠慮していたし、怒られるかもと嫌厭してたんだろう…ますます、離れてよかったです。

もちろん、上司が100%悪いかというと、そうではありません。私にも多くの至らない点、未熟な点があるのに素直に指摘を受け入れず、反発してしまったところもあります。とはいえパワハラが良いかと言えばそんなことはないし、私にも改めるところがあるけど…それは次の職場で、と、まずは心身の健康を取り戻すことを仕事にします。

パワハラは自分さえしっかりすれば乗り越えられるはず、と思っている人。そのストレスを知らず知らず、どこかにぶつけてませんか。それって、自らの手で不幸を広げてしまっているのかもしれません。それを断ち切るにはーーまず、パワハラから離れること、そして自分と周りを大切にすることから、始めてみてはいかがでしょうか。