機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

誰かを好きでいるために、自分がご機嫌である大切さ

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「好き」を「機嫌をとってもらう」と勘違いしていたために、何度も恋人と別れを繰り返してきました。
今子育てを通して「好き」の中身を考え、「好き」の表現方法を考える中で、改めて自分の機嫌を自分でとることが大切だと思った話です。

子どもの好きは、この人に機嫌をとってほしい

先日twitterで見かけたこのつぶやきにハッとしました。

子どもの「好き」は「この人に自分の機嫌をとってほしい」
まさしく、夫と出会うまでの私はこの「大人になっても子どもの心ままに「好き」を使う人」でした。
恋愛の最後は、相手のことは嫌いじゃないのにすごく疲れてしまって、自分の何がいけないんだろう?? と自己嫌悪に陥ることしばしば。
その理由が、このつぶやきでわかりました。

不機嫌で優位に立つ、機嫌をとってもらうことで愛情を確認する

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父はいわゆる昔の男。仕事で疲れた俺に構うなと、帰ってきたら不機嫌オーラを出して子どもを寄せ付けない雰囲気。子どもたちの構ってほしい気持ちも無視して、ご飯を食べたらすぐに寝て…。休みの日は寝てるかパチンコ、たまに遊びに連れてってくれても、行った先で寝ていたり。でも働いてお金を稼いでいるのは父なので、不機嫌で家族のトップに立っていました。

母は父に構ってもらえない私と妹の機嫌をよくとる、「良い母」でした。働きながらも毎日何品も料理を作り、休みの日には母と私と妹でおでかけ。家にいるほとんどを母と過ごすうちに、なんでも分かってくれる、やってくれる、そんな存在になっていました。

そうした幼少期を過ごすことで、自然と「不機嫌になれば優位に立てる、機嫌をとってもらうことで私は愛されている」と間違った認識をするようになっていたんだと思います。

それを恋愛にも持ち込み、不機嫌になることで恋人を支配し、機嫌をとってもらうことで恋人の愛を確かめていました。
最初のうちはかわいいワガママとちょっとした甘やかしの関係、やがて対等なはずな恋人関係が上下のいびつな形になり、互いに疲れてしまう。
不思議と、機嫌をとられる人も疲れるんですね。勝手に期待を膨らませ、それが叶えられないという理不尽な貪欲さが自分の心を削る…というなんとも勝手な理由です。
もっと察して、もっとわかって、もっとかまってよ、という要求は大きくなり、やがて恋人の無力感や反発心を招き別れへ…。

そんなことをなんだかんだ20代半ばまで続けました。20代半ばの恋人は、私の不機嫌に「幼いのではないか」と言いました。
私は愛をどう表現すればよいかよくわからなかった。
メールで何を伝えれば、デートで何をすれば、どうセックスすれば「好き」なのか「愛してる」なのか、さっぱり見当がつかなくて、その幼い関係は終わりました。本当はそこに答えはなかったのに。

自分の機嫌に責任を持つ

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それから数年が経って、今の夫となる人と出会いました。
付き合うか、付き合わないか、そんなぼんやりした関係の時、私の持っていたコンプレックスを夫も持っていたことを知りました。そして、夫はそのコンプレックスを乗り越えて、惜しまず愛を言葉と行動にすることにしていました。
恋人だから、夫婦だから伝わるだろうと面倒臭がらずに、大切にし、抱きしめ、素直に気持ちを伝え、対等であり続けることを、まっすぐにそのまま実行していました。
そうされるうちに、ああ、こうすればいいのかー、と分かるようになってきました。
この人を不機嫌で試すことは無意味である、と気づいてからは、素直に思ったことを言葉で伝え、自分の機嫌には自分で責任を持つようになりました。

まだ全責任は持てないのだけど(全部とる必要もないし)、自分の機嫌をとれるものを多く用意しておくように心がけています。
最近だと、アイシングクッキーに没頭したり、やっぱりデザインが好きなのでちょこちょこ仕事したり、なんだかんだで物を作るのが好きです。食にはなるべくいかないように、できれば運動に心が向くといいな…と思っています。

「好き」をどう伝えるか

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冒頭の「子どもの「好き」は「この人に自分の機嫌をとってほしい」」に話を戻しますが、最近の長女のブームは「ママ好きー♡」です。もう、四六時中言う。何かというと言う。言いまくる。
私も「ママも長女ちゃん好きー」と返していたけれど、あのつぶやきを見てから、その「好き」はなんなのか? そのまま「好き」の言葉で返すだけでいいのか? と考えるようになりました。
というのも、この「好き」ブームの前には、「ママ嫌い」ブームがあったからです。ママ嫌いは悪化して、無邪気な「ママ死んじゃえばいいのにね」まで発展しました。

fumisiobox.hatenablog.jpはて、この「ママ好きー♡」は私の機嫌を伺うためのものか? いや、もはや「嫌い」と「好き」は同義語の「すべてを受け止めて」なのかも?「好き」と言いながらも、気に入らないことがあると泣き叫ぶ。叫んでどうにかしてもらおうとする。それでもダメだと諭すと、怒って手を出してくることもある。
ーーあっ、これは「好き」じゃないぞ。

いや、もちろん好きで信頼しているのは重々承知だけれど、表現方法が間違っていのです。
だから泣き叫ぶ長女をぎゅっと抱きしめて、私の気持ちを素直に伝えました。

「長女ちゃん聞いて、ママは長女ちゃんのこと好きだよ。好きで、大事で、大切だよ。だから、叩いたり大きい声を出したりはしないよね? 長女ちゃんはママのこと好き?」
「好き(号泣)」
「大事?」
「だいじ(号泣)」
「大切?」
「たいぜつ(号泣)」
「好きっていうのは大切で大事ってことだから、大切にして、叩いたり、叫んだりしないでほしいな」
「う゛ん゛(号泣)」
「でも、してほしくないことはしてほしくないって言うよ。だから、長女ちゃんも気に入らないことがあったら、できるだけ言葉で言ってほしいな。そしたらママわかるから」
「う゛ん゛(号泣)ママ好きー」
「うん、ママも長女ちゃん大好きで大事で大切よ」

と言ってもまだ叫ぶし泣くし叩くこともありますが。
3歳児相手にそう簡単にはいかないですよね!
でもね、そうやってずっと接していくことで、まっすぐな「好き」を覚えてほしいなと願っています。
と同時に、私もまっすぐな「好き」を伝えて、自分の機嫌をとらせるようなことをしないように。そこはちょっと、頑張っていきます。

まとめ

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「好き」の中に詰まっているのは「大切、大事」であること。
「私の言うことを聞いて、機嫌をとって!」ではないこと。
好きの合間にちょっとずつ挟んで、伝えていきたいし、自分も肝に銘じていきます。
まずは自分がご機嫌でいること。好きなもので気持ちを切り替えて、素直でいること。
目指せ、ご機嫌さん。

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補足

我が家の父ですが、今は孫にメロメロで私の頃には考えられなかったような顔をするし、世話もしています。やりたくてもできなかったことを、ここで取り戻しているような…
働くようになって、不機嫌だったころの父は本当に大変だったんだなぁ…と気付きました。業務量(土日深夜当たり前)と責任(営業部長)を考えると、忙しいながらむしろいろんなところに連れて行ってくれた気もします。

母は双方実家遠方の核家族、共働きだけど夫は非協力的(しかもあの時代専業主婦がほとんど)という、ワンオペ育児の最先端を行く中で、一人で本当によく育ててくれたなぁと尊敬しています。父に思うこと(恨みとか)いろいろあるだろう中で必死に愛情を注いでくれました。

完璧じゃなかったかもしれないけど、ほんと感謝も尊敬もしてる!