機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

女とオカマと孤独死と。

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調剤薬局で処方を待っている時、壁に貼ってある「救急車の適正利用を心がけましょう」というポスターに、不正利用の具体例が書かれていました。

70歳女性。夜中に不安になって誰かに話を聞いて欲しくて救急に電話した。

どうしよう。どうしたらいいんだろうね。私はこの70歳の女性の夜中に不安になって誰かに話を聞いて欲しい気持ちがよくわかる…というか、電話をかけそうになっている70歳の自分の姿が思い浮かびすぎて、やるせない思いで押しつぶされそうでした。

女たちで集まると、自然と孤独死の話をしていることが多々あります。私の周りだけでしょうか。大学生のころはまさか今みたいに仲間内のほとんどが結婚するとは思ってなかったので、いちばん年下の私が30歳までに結婚しなかったら、みんなで大きな古民家でも借りて住もうか、なんて話が出ていて、それはわりと実現するのではないかな、そしたら楽しそうだなと考えていました。

あれから10年くらい経って、仲間内の大半が結婚して子どもができてそれぞれの家を持った今でも、私たちは酒を飲めば孤独死の話をします。結婚してる子も、してない子も、子どもがいる人も、いない人も。私たちは孤独死について、自分が、一人で死んでいくことについて、考えずにはいられないのです。そしてそれを、パートナーでもなく子どもでもなく、女たちで共有するのです。

私はそれを、平均寿命が女の方が長いからだと思っていました。
しかしテレビでマツコデラックスやミッツマングローブKABA.ちゃん等のオカマ(便宜上こう書きますが意図はありません)が集まって酒を飲みながら話す番組を見ていたら、マツコが『老後はさ、マンション一棟買ってみんなで住むのよ。身を寄せ合って、時々集まって生存確認してさ』と発言していました。
わ、わかるわかる、いっしょだ! と驚くと同時に、あ、これは先にパートナーを亡くすうんぬんからくるものではないのだな、と気づきました。女の業、でしょうか。もう、女という生き物は、孤独死を考えることから逃げられないのかもしれません。

そう考えていたら、オカマたちの話はだんだんと違う方向へ。『ムダ毛がね…』
わ、わかるわかる、いっしょだ!
私たちは酒に酔うと、ムダ毛の話もよくします。脱毛をした、産んだらまた生えてきちゃった子がいる、最近白髪が増えてきた…そうして夜は更けていきます。

そういえば、と夫に「男たちの飲み会では孤独死の話をするのか」と聞いたら「え、一度もしたことないよ。孤独死の話なんてするの? というか今まで孤独死について考えたことなんて一回もないよ」と驚くものですから、こちらはその倍くらい驚きました。
じゃあ男たちで集まって何を話しているのか。「うーん、基本くだらないことだけど、夢とか、これから何やりたいとか、ゲームの話とか」

どうやら、「女が孤独死とムダ毛について考えている」というより、「男に孤独死とムダ毛という概念がないだけ」なのかもしれません。

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