機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

私のへたくそな鬱との付き合い方

鬱とはかれこれ、8年の付き合いです

きっかけは産後うつ。ホルモンバランスの乱高下に加え、睡眠不足、責任感、自信喪失(なぜか産む前は子育てにすごく自信があった)、自己嫌悪…。2回実家に帰りました。長女の乳児期は本当に記憶が朧げです。
保健師に紹介された精神科医(今の主治医)には、「大丈夫、1,2年で治るから」と言われ、「こんなに辛いのがそんな長い期間続くなんて耐えられない…」と心はバッキバキでしたが…どうです、まだうつです。

おっかしいなーと思いつつ、社長と揉めて10年勤めた会社を辞めたり、次女が思わず障害児だったり、転職した会社でパワハラに遭ったり、パート先でまたパワハラされたり、そもそも家事育児が嫌いすぎたりと、これだけのことがあれば、まぁ産後うつが長引いてうつになるよね、という感じで。

うつだけど、働きたい!

しかしそうやってうつに振り回されてる間もずっと「働きたい」という気持ちがあって。パート先にコロナ(を盾に)解雇されてから3年、無職でありながら家庭のこともなんとなくおざなりで、つい先日も近くでやっている復職セミナーに行ってみたりしたんですけど。

私、なんでこんなに働きたいんでしょうね?

元々のデザイナー職がすごく好きだというのもあるし、友人が皆働いているというのもあるし、嫌いな家事育児だけの生活に食傷気味だというのもあるし。

夫も友人も主治医も「そんなに働きたい?」と不思議顔。もどかしい気持ちだったけど、最近自分もじょじょに「そんなに働きたい?」と思い始めて。

どうしてそんなに、働きたい?

そんな時、図書館で田中圭一さんの「うつヌケ」を見つけました。数年前に流行語大賞にもノミネートされた、ベストセラー本です。

漫画なので気楽に読み始めたんですけど、その中で「うつトンネル」を脱出した人の共通点として「周囲から自分が必要とされていると感じる」ことがきっかけで、自分を肯定できるようになりうつを脱したとあったのです。それを読んで、ハッとしました。

あ、私、人に必要とされたかったんだ。

なんと愚直すぎてこっぱずかしい、幼い思いか! うつでネガティブに偏った思考、社会から必要とされてないという思い込みから、私は、必要な人間だっていう自信を失っていました。そして、私の中で必要とされる=仕事だったから、ずっとずっと「働きたい」思いがあったんですね。デザイナーとしてすごく充実していた頃の記憶が、そうさせていたんだと思います。

でもさ、違うじゃん。私もう必要とされてるじゃん。夫、長女、次女。とくに障害のある次女の世話はすごく疲れるけど、これは私が最も必要とされているところで(もちろん夫が必要なところもある)。

あるじゃん。もう私を肯定する場所、生きてるだけでOKってところ、目の前にあるじゃない。と思ったら、静かに光が見えた気がしました。

光の先に

まぁ、だからといって簡単にうつから脱出できるとは思わないんですけど。

特に私は気圧に弱くて、フィリピン海くらいに台風ができるとすぐ寝込んでしまう「突然リターン」が多いし、やっぱり障害児の世話は大変で、うつと両立するのはなかなかの重労働。

だけど、長年の凝り固まった思考が氷解していくのを感じて、安心しました。こういった風にじょじょにじょじょに、うつトンネルを抜けていくのでしょう。や、頼むよ、マジで。

ずっと、働かなきゃ、早くしないとデザインの腕が落ちちゃう、と焦っていたんですけど、今は、10年くらい楽しくデザインできたから、それはそれでラッキー、この先デザイン業界に戻れるかは不明〜くらいに思うことにしました。やっぱり好きだから名残惜しくはあるんですけど。

次女は来年特別支援学校(小学校)に入るので、また大きな波があるのだと思います。くれぐれも気張ってうつに戻らないようにしないと。

あぁ、ちょっとだけ、息をするのが楽になった、気がするのです。