子どもがいじめる側になった時に
先日、長女の担任から「ちょっとお話長くなるんですけど」と電話がかかってきた。
なにかというと、長女が友だちにちょっかいを出しているらしい。見過ごせない、悪質で複数の、というのである。
私はもう、ただただ寝耳に水で、はぁ、はぁ、すみません、ええ、はい、と担任の話に精一杯大人らしい返事をするので精一杯だった。
「ちょっかい」を出した相手は二人。いずれも隣の席になった女の子だった。内容は、その子たちと保護者に了承を得ていないので書かないが、私の印象では、一件は明らかにちょっかいの線を逸脱していて、もう一件は、うーん、これが男子同士だったら「オメーなにやってるんだよー」くらいの、ちょっとしたいたずらである。
先生が長女になぜそんなことをしたのかと聞いたところ、いずれも「わからない」という返答。やられた相手は嫌がっている、今後このようなことを続けると、あなたの隣の席には誰も座らせないことになるがよいか、と問うと、それは嫌だと。ただ、ちょっかいを逸脱している件については親に連絡するというと、顔を真っ赤にして拒否したとのこと。
逸脱した件は、私から相手のお母さんに連絡を取り、平身低頭謝り、弁償と今後の指導を約束した。お母さんは全く怒ってなくて、私もちょっと聞いたけど放置しちゃったくらいなんですよぉ、長女ちゃんは小学校で初めてのお友達なんで、これからも仲良くしてくださいね。とのこと。なんたる神か。ありがとう、そして本当にすみません。
もう一件については、長女に謝罪の手紙でも書かせるかなぁと思っている。
さて、肝心の、長女がなぜそのようなことをしたのか。
ほんとうに「わかんない」んだと思う。ただ、目に入って、ぱっと思いついて、楽しいかなって、悪意もなく、相手の気持ちも考えず、やっちゃったんだと思う。
二件のちょっかい、少し違う要素もあるんだけど(詳細を書けないのでぼやっとしてて申し訳ないんだけど)、長女の相手への接し方は100%間違っていて、これがどんどん大きくなるにつれてずれてずれていっていって、いじめに発展してしまう可能性もあるんだろうなと、ずしんと胸にきた。
なにしろ、いじめられっ子だったもので。奴らが、「目に入って」「パッと思いついて」「楽しいかなって」「悪意もなく」「相手の気持ちも考えず」やってきてるのをひしひしと感じていたので。
そんなふうに、小さな芽が育っていくんだと思う。
だから、小さなうちに、先生も電話してくれたんだと思う。(いや、相手が嫌がってる時点で大ごとです。相手の二人には直接誠心誠意謝りたいです)。そして、小さな芽を摘みとりましょう、っていうことなんだと思う。
「3月のライオン」で、いじめっ子が「なんでやっちゃいけないの?」と本当にわからない描写があって、心底ゾッとしたのを思い出した。サイコパスに近い描かれ方だったけど、あぁ、こうなってしまうなんて。
それは、最初、本当に小さな芽だったんだろうなぁ。
そんなことは絶対にさせないけど、子どもがいじめる側になった時、それに気付けなかったなんてことがないように。