機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。8歳と5歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

糸に触れてきづくこと

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刺繍にどハマりしている。

気付くと2時間過ぎている。

こんなにハマったのはあつまれどうぶつの森以来だ。あれも酷かった。一度置いた物をどうしても気になってひとマスずつずらしたり、ひたすらに花の交配について考えたりして、1日三時間ほどやっていたこともあった。

それ並みのウェーブが来ている。やっぱ乗るしかない、このビックウェーブに。©ビックウェーブさん

 

きっかけは趣味のお菓子作り(この趣味は結構長い)のinstagramに流れてきた、クラフト動画レッスンサイトの広告。そのレッスンのひとつ、パンの刺繍シリーズのかわいさに、ずっきゅんきてしまったのである。

miroom.in

迷った。ちょっと高い。それに難しそう。そしてすぐ飽きそう。でも、気づけば1日に何度もサイトを見てしまう。。

 

画して、私の刺繍ライフは始まった。一緒にクラスへ巻き込んだ、もともと刺繍好きの友人には「刺繍沼へようこそ」という素敵なことばをいただいた。

始めてみたら、思っていたより難しくはない。いや、奥が深いのはすぐわかるけど、すぐに多少の形にもなるので、これはどんどん縫い進めてしまう。

しかも小一時間あればひとつの刺繍ができるので、気軽に達成感が得られる。

なにより、ひと針、ひと針と縫い進めていくときの静寂な時間がたまらない。

たまに嫌なことを思い出してチッてなるけど(なんでこういう時楽しいことは思い出さないんだろう)、目の前の糸を一本、また一本と重ねていく動作は、穏やかでありながらドキドキする不思議なもので、少し時間が空いたら針を手にとってしまうのであった。

布にプツっと針を通す音、糸がすすーっと布を通っていく音、また針が布へ戻る音。その音を聞くと、心から雑音がスーッと消えて凪になる。

豊かなグラデーションの糸や、微妙な色の違いの糸が並んでいると、「かわいい」と思う。かわいいって。糸がかわいいって。でも本当に、糸がかわいく、そんな糸たちが織り成していく画はたまらなくいとおしいのである。

何になるのか、というと何にもならない。

プロになんてなれないし、ものは溜まっていく一方で、やがて飽きるのも目に見えている。

でも、この時間、このドキドキが何より大切。それが趣味ってものだ。なんていいものを手に入れたんだ。

 

ちなみに、あれだけハマった「あつ森」は、ここ一ヶ月ほどログインしていない。きっと島は荒れ放題だ。でも、私のスマホの待ち受け画面はあつ森だし、ジム用のTシャツもあつ森に出てくる航空会社のものだ。家族もなんかんだであつ森Tシャツを着て、ノベルティのマスク入れを使っている。

いつか遠ざかってしまうだろうものでも、何か残るものがある。「ママ最近あつ森してないじゃん」って会話も、あの1日3時間の泥沼がなければなかったものだ。

 

そうして私は、今日も針に糸を通す。