機嫌の取りかた

自分の機嫌を取ることで世界を維持する。3歳と1歳の娘と夫と、東京の端で暮らす。

書きたいことが、次のページをめくる

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週明けから、紙の大きさの話をします。グラフィックデザイナーという仕事柄、紙とは長い付き合いでそれなりのこだわりや思い入れがありますが、グラフィックデザイナーでない人が紙にこれといった思いを寄せていないと知ったのはつい最近です。なので、多くの人にとってはこれは本当にどうでもいい記事なのだろうなぁと思いながら、私はA4のコピー用紙(横位置)がいちばん好きです。

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そもそもこの「A4」とか「B5」とかの大きさですが、A版は国際規格、B版は日本独自の規格だとご存知でしょうか。私がそれを知ったは大学生の頃で、その時私は「A4のわら半紙」を探していました。とあるロックミュージカルの宣伝美術(チラシとかポスター作る係)で、当日に配るパンフレットを作成するためで、ロック魂溢れる粗野で力がある雰囲気を出すため、どうしても「わら半紙」が良かったのです。

しかし探せども探せども「A4のわら半紙」が見つからない。わら半紙と言えば、30歳以上の人はすぐに思い出せると思いますが、学校で使われていたいわゆる「プリント」です。わらで作られた、少し茶色で毛羽立ったどこか安っぽい紙。学校で渡されるプリント・お手紙はだいたいこれで、私はその裏によく落書きをしていました。高校を卒業してからはすっかりお目にかかることはなくなっていましたが、荒々しい武骨さを表しつつお値段を抑えるには大変良い紙ではないかと、記憶の中かから引っ張り出してきました。

が、ない。「A4のわら半紙」。画材店にもホームセンターにも通販にもない。あるのはB5もしくはB4サイズ。でもA4が欲しいのよ〜なにしろ大学に入ってからはA4サイズにすっかり慣れていたので。そしてすでにデータをA4で作っていたので(これ仕事でやったら完全なミスなので事前にしっかり確認しましょう)。

しかしないぞー、どうしたもんか…と頭を抱えた時、ふと思い出したのです。小中高と渡されていたプリント類、わら半紙で刷られていたプリント類って全部B版だったな…。そして「わら半紙」…。

はっ、半紙(日本独自)=B版(日本独自)!!!

そうかーー、B版は日本独自規格だとは知っていたが、半紙から来ていたのか! だからわら半紙にA版はないのかーーーーー!

厳密に言うとなくはないんだけど、ほとんど流通してないです。価格も高めです。まぁもう完全な私の知識不足ですけど、「A4のわら半紙」を探しているクリエイター志望の学生さんがここにたどり着いてましたらね、言っときますよ。ねぇよ。

ちなみにその時のパンフレットですが、データを作り直して無事B版で刷れました。B4を蛇腹に折った上に横に繋げるという超手間のかかることをしたんですけど、当時まったく注目されてなくて今みたいにおしゃれ文具として柄付きのものなんて売ってない、白いマスキングテープで、宣伝美術を一緒にやった子と夜通し延々貼り合わせました。その他にも黒い画用紙に黒で印刷してみたり、印刷のズレを逆手に取ったデザインにしてみたり、いろいろ工夫して、今でもいいもんできたなぁって自画自賛してます。

というのを思い出したのも、最近の小中高ではどうやらわら半紙がなくなりA4版がほとんどになったらしいぞ、という話を夫としたからです。そういえば数年前にはランドセルに「A4版のファイルがすっぽり入る!」とCMされていましたが、今ではそれが当たり前になったため聞かなくなりましたね。コピー用紙・コピー機が安くなったからでしょうか。B版わら半紙のころはリソグラフでしたから(リソグラフの話も1時間できます)。

でもなぜだか小中高のノートはB5版が使いやすい、大学生になるとレジュメもA4になるし、ノートはルーズリーフだったりレジュメに直接書き込んだり、最近はもはやパソコン・タブレットなのか。社会人はメモを取ってから、ノートというかA4の資料になる。そう考えると、紙との付き合いはステージによって変わってきます。もはや紙がなかったりね。私は、物事を考えたりパッとメモを取るにはやっぱり紙がいい。思考したのをまとめるのはパソコンというかキーボードとマウスでやりたくて、それを外に持ち出してちょこっとだけ直せるタブレットも便利。

できたら思いついた時にパッと手にとってぐちゃぐちゃ書き込んだあと自動的に整形されて、それをキーボードとパソコンでサッと直してどこでも手軽に見られて、みんなとその場であーだこーだ比較したりチェックしたり新たな資料を作ったりできる紙が欲しいなぁ。もちろん、あの時の私がわら半紙にこだわったような、「手にとった時のプロダクト感」も表現できる、ね。結局紙が好きなんですわ。だから転職の面接でも「紙もWEBもやりたいんすよねー」って言っちゃう。そうして印刷屋の商品企画・WEB販売部門に収まりました。

ところで、最初に書いた「A4の紙(横位置)」がいちばん好きな理由ですが、「どんだけ書いてもなくならない気がするから」です。そして「書くスペースがほどよく制限されてて、今を忘れて次に行けるから」です

どんだけ書いても書いても、書きたいことが溢れてくるのです。書きたいことが、次のページをめくるのです。